電流シャント計算ツールのしくみ
シャントは電流経路に入れたごく小さな抵抗で、電流は両端電圧を抵抗値で割って求めます。産業用シャントは 100 A / 75 mV のように電流と電圧降下で、基板用の電流検出抵抗はミリオームで表されます。
このツールはどちらからでも計算できます。抵抗値、指定電流と最大電流での電圧と損失、許容差と温度係数による抵抗誤差を求め、変換器のフルスケール入力を入力すれば、アンプゲインと ADC 1 コードあたりの電流もわかります。
定格と抵抗値
100 A / 75 mV のシャントは 100 A で 75 mV 降下するので、R = 75 mV / 100 A = 0.75 mΩ です。50 A では 37.5 mV 降下して 1.9 W、100 A では 7.5 W を消費します。損失でシャントは発熱し、抵抗値は温度係数に従って変わります。50 ppm/K で 40 K 上昇すると 0.2 % です。連続使用で定格電流からどれだけ下げて使うべきかはメーカーが示しているので、そのディレーティングに従ってください。
電圧降下の選び方
降下が大きいほど正確に測れますが、電力を無駄にしてシャントを発熱させます。産業用シャントでは 50、60、75、100 mV が一般的です。基板上では、アンプのオフセット電圧が信号に比べて小さくなるよう、最大電流で 10~100 mV にするのが普通です。最大電流で約 10 mV を下回ると、オフセットや接続部の熱起電力が読み値の無視できない部分になります。
接続とアンプ
電流端子ではなく、シャントの電圧検出端子で測ってください。4 端子(ケルビン)接続にすると、ねじ端子とケーブルの抵抗が測定に入りません。アンプのオフセットを R で割った値は電流誤差となり、低電流で支配的になります。0.75 mΩ に対して 100 µV なら 0.13 A です。
アンプまたは ADC のフルスケール入力を入力すると最大電流をフルスケールにするゲインが、ADC のビット数を入力すると 1 コードあたりの電流がわかります。設計をさらに進めるには ADC 分解能計算ツール と 計装アンプのゲイン計算ツール を使ってください。
よくある質問
ハイサイドとローサイドのどちらにしますか?
GND への帰路に入れるローサイドシャントは測りやすい一方、負荷の GND を持ち上げます。ハイサイドシャントは GND をそのまま保ちますが、電源の同相電圧に耐えるアンプが必要です。電流検出アンプはハイサイド用に作られています。
ホールセンサのほうが良いのはどんなときですか?
電流が大きい場合、回路を絶縁する必要がある場合、シャントの損失が許されない場合です。閉ループ型ホール変換器は導体に熱を加えず絶縁も得られますが、コストとオフセットは大きくなります。
変流器と比べるとどうですか?
変流器は交流しか測れず、負担による制約もあります。その確認には 変流器(CT)の負担計算ツール を使ってください。シャントは直流も交流も同じように測れます。