計装アンプのゲイン計算ツールのしくみ
計装アンプは、ひずみゲージブリッジやロードセルの出力のような 2 つの入力の小さな差を増幅し、両方に共通する電圧を除去します。抵抗 1 本でゲインを設定する計装アンプの多くは、G = 1 + K / RG という形の式に従い、外付けの抵抗 RG でゲインを決めます。K は内部抵抗で決まり、データシートのゲイン式に記載されています。
このツールは、目標ゲインに対する正確な RG、その両側の E24 または E96 の標準値、それぞれのゲイン、入力範囲の両端での出力電圧を求めます。出力を電源から出力振幅余裕を引いた範囲と比べ、収まる中で目標に最も近い値を推奨します。
ゲイン定数 K
K は部品によって異なり、データシートから取る必要があります。49.4 kΩ は一般的な計装アンプのいくつか(AD620 型、INA129 型の式)に、50 kΩ はほかのもの(INA128 型)に、100 kΩ は一部の低消費電力品に見られます。違うデータシートの K を使うと数 % のゲイン誤差になり、校正不良のように見えます。
標準値とゲイン誤差
正確な RG が標準値になることはまれです。G = 100、K = 49.4 kΩ では正確な値は 498.99 Ω で、499 Ω(E96)では G = 99.998 になります。RG が小さいほどゲインは高くなるので、出力が電源に近いときは大きい側の標準値が安全です。
RG の許容差は (G − 1)/G × 許容差 としてゲインに入るので、0.1 % の抵抗では高ゲインでほぼ 0.1 % のゲイン誤差になります。データシートでは、通常 0.数 % の K の許容差と、温度によるゲインドリフトが加わります。2 点校正で初期誤差は取り除けますが、ドリフトは残ります。
出力範囲とリファレンス端子
出力は G × (V+ − V−) + VREF です。単電源では出力は 0 V に届きません。基準を 0 V にして入力がないと、出力は下側の振幅限界より下になり、正しく読めません。バッファ付き分圧回路のような低インピーダンスの電源でリファレンス端子を持ち上げると、出力範囲全体が上に移ります。0.5 V や電源の中点がよく使われます。ツールは、入力の両端が出力の限界内に収まる最大ゲインを示します。
ブリッジ出力は ひずみゲージブリッジ計算ツール や ロードセル出力計算ツール から入力し、得られる分解能を ADC 分解能計算ツール で確認してください。
よくある質問
入力同相範囲が重要なのはなぜですか?
内部の各アンプにはそれぞれ電圧の限界があるため、許容される同相電圧はゲインと出力電圧によって変わります。データシートではひし形の図で示されています。同じ単電源で励起したブリッジは電源の中点にあるので、その点を図で確認してください。このツールでは確認しません。
抵抗 2 本を直列にして正確な値にできますか?
できますが、それぞれの許容差と温度係数が加わります。0.1 % の抵抗 2 本は通常 1 % の 1 本より良く、E96 の 1 本で十分近いこともよくあります。
RG はどこに置くべきですか?
RG 端子のできるだけ近くに、短く対称な配線で置きます。RG 端子は内部アンプの入力につながっているため、そこでの浮遊容量やノイズの飛び込みも増幅されます。